個人で不動産賃貸をしています。法人を設立して不動産を法人に移すとどんなメリットがあるでしょうか
「所得税の節税」を目的に個人所有の不動産を法人に移す場合のメリット・注意点を整理してみます。
所得税節税のメリット
1. 税率の圧縮効果
個人で不動産所得を持つと「累進課税」が適用され、課税所得が増えると 最高55%(所得税+住民税) に達します。
法人に移せば法人税率は おおむね23~30%程度(利益800万円以下はさらに軽減あり)なので、高所得者ほど税率差によるメリットが大きいです。
2. 経費計上の幅が広がる
個人では経費と認められにくい支出でも、法人なら業務関連と認められる範囲が広がります。
例)
役員や従業員の社宅費用
出張・会議・車両費・通信費など個人でも経費にはなりますが法人のほうがより広く経費に出来る可能性があります。
これにより課税所得をさらに圧縮できます。
3. 家族への所得分散
法人にすることで、配偶者や子どもを役員や従業員にして給与を支給できます。
所得を分散することで、家族全体の税率を抑える効果が期待できます。
※実態を伴わない給与は税務上否認されることもあるのでよく検討することが必要です。
⚠ 注意点・デメリット
不動産を法人に移す時点で税金がかかる
譲渡所得税(個人に課税)
登録免許税・不動産取得税(法人側で負担) → これらが数百万円規模になることもあります。
小規模宅地の特例が使えなくなる可能性
… 将来の相続時、法人所有不動産には相続税の「最大80%評価減」が適用されません。
→ 節税よりも相続税の負担増になる場合があります。
法人維持コストがかかる
決算・申告費用(税理士報酬)
社会保険料の負担(役員報酬を出す場合は必須)
所得税の節税だけなく、将来の遺産相続など検討しければいけないことが多いので詳しくは税理士事務所レグルス岡山にご相談ください。
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