遺産が不動産ばかりで相続税を納める現金がないとどうなりますか
相続財産が不動産中心で、相続税を現金で納められない場合、いくつかの対応方法があります。日本の相続税制度では以下のような仕組みが用意されています。
1. 延納制度
現金で一括納付できない場合に、分割して納められる制度です。最長20年の分割払いが可能ですが、担保の提供が必要な場合があり、利子税(年1.2~6%程度)がかかります。
これは実質的に国から借金をするということになりますが、それでも守るべき付加価値を生む財産なのか、どうか検討が必要です。
2. 物納制度
延納でも困難な場合、相続した財産そのものを相続税の代わりに国へ納める制度です。認められるのは主に「不動産・株式など」で、国が受け取りやすい(換金しやすい)資産が優先されます。
ただし、条件が厳しく、この制度を利用するケースは少ないというイメージです。
3. 不動産の売却や担保化
不動産を売却して現金を作り、納税資金とするケースが多いです。
相続開始から10か月以内に申告・納税が必要なので、売却が間に合わないときは延納や物納を併用します。
不動産を担保に融資を受けて納税資金を確保する「相続税ローン」を利用する方法もあります。
実務では「不動産を売却する」か「融資を受ける」ことで現金を用意するケースが多いです。そうなることを避けるために生命保険を使って納税に必要な現金を確実に残すことが出来たらそれがいいと思います。
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