公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)とは、
「公証人」という法律の専門家が関与して、公的な文書(=公正証書)として作成する遺言のことです。
特徴はこんな感じです:
遺言者(本人)が公証役場に行き、公証人に遺言内容を口頭で伝える。
公証人がそれを法律に沿って正確な文書にまとめる。
遺言者と証人2人の前で内容を確認して、正式に完成させる。
出来上がった公正証書遺言は、公証役場が原本を保管してくれる(紛失や改ざんの心配がない)。
だから、安全・確実な遺言方法とされていて、
特に「確実に自分の意志を残したい」と思っている人に選ばれます。
どういう時に公正証書遺言を作ったほうがいいか
公正証書遺言を作ったほうがいいのは、主に次のような場合です
① 相続人同士で揉めそうな場合
→ 子どもたちの仲が微妙だったり、財産の分け方に差が出そうなとき。
公正証書だと法律的に強いので、遺言の有効性を争われにくいです。
…というのが一般論。でも公正証書でもそうじゃなくても遺言があると揉めないかというと、そんなことはない、というのが
現場を見てきた私の実感です。遺言があってもなくても、事前に家族の間でちゃんと話が整っていたら揉めない。話はしたことあるけど整っていなければその状態で遺言を作っても揉める、という印象です。
(揉める、揉めないは財産の多い、少ないで決まるものでもありません。少なくても揉めるときは揉めます。金額の大小より人間関係ですね。)
② 特定の人に多くの財産を渡したい場合
→ 例えば「長年介護してくれた娘に多めに渡したい」など、普通の法定相続と違う分け方をしたいとき。
特定の人に多くお金を渡すには生命保険を使うという選択肢もあります。どちらにしてもやはり事前に家族の中で話が整っていれば問題は起きないですね。
③ 体が不自由だったり、高齢で手書きの遺言が難しい場合
→ 公証人が内容をまとめてくれるので、字が書けなくても大丈夫です。
④ 大切な財産(不動産・会社株など)がある場合
→ 曖昧な内容だとトラブルのもとになるので、きちんとした形に残しておくべきです。
遺言を読んでも意味が曖昧でわかりにくい、わからない、ということが実際にあります。公正証書遺言の場合は公証人が見てくれるのでそのような可能性は低いです。
⑤ 遺言を絶対になくしたくない場合
→ 公正証書なら原本を公証役場が保管してくれるから、万一自宅のコピーが失われても安心です。
ただし、相続人が遺言の存在を知らなければ、わからないです。遺言を作った、どこにある、ということを相続人に知らせておかないと誰も気がつかない可能性があります。
公正証書遺言以外の遺言は内容が曖昧すぎたり、手続きに不備があったり、法律的には無効な遺言になってしまう可能性が高いです。確実な遺言を作成した場合は公正証書遺言にしてください。
遺言を作りたい方は税理士事務所レグルス岡山にご相談ください。弊社の税理士が公正証書遺言の立会人になることも可能です。